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SPECIAL

百宅探訪~ダムに沈む里~

2028年竣工予定の鳥海ダム。
ダムの湖底に沈むことになる鳥海町百宅(ももやけ)地区では、弘法伝説をはじめとする多くの逸話や、土着の信仰による独特な文化が育まれてきた。

山間の小さな村は、ダム建設工事が進み、日々その姿を変えている。
今しか見れない風景がそこにある。

百宅を知る

地形と成り立ち

 鳥海山の東部、子吉川と支流である百宅川が作り出した盆地で、標高は約400メートル。
 周囲の山々は古代の鳥海山の噴火活動によって形成されたもの。
 川の上流には秋田県の天然記念物第1号であり日本の滝100選にも選ばれる法体の滝があり、この美しい滝も自然が生み出したダイナミックな芸術作品といえる。

歴史と文化

 修験者が鳥海山と関わりをもつようになり、山麓には人が集まるようになったとされる。百宅も一つの行場として利用されていたと考えられる。
 法体の滝や弘法平に代表される地名にも現れているが「弘法大師」が訪れた地としての伝説が今なお語り継がれており、それを示す石碑や遺跡も多い。また、鳥海山信仰や、山々を信仰する「山の神」の社も多く点在し、これらは狩猟集団であった「マタギ」の習慣にも深く関わっている。

百宅の風景
百宅の風景(馬蹄観音)

教育と暮らし

 豪雪地帯でもある百宅は、冬には3mにもなる積雪を記録することでも有名で、地区に暮らす人々の家屋の形状もその極地の暮らしぶりを表している。
 標高が高く、寒冷な地域でもあり、盆地に広がる美しい田園風景とは裏腹に、稲作への苦労も伺える。古くからマタギ文化が栄える理由もそういった地域性にあったとも考えられる。
 地域の産業としては大正時代から林業が盛んになり、昭和13年ごろから森林鉄道が敷設されはじめ、山々からは木材を切り出していた。

 昭和38年4月より百宅小中学校として独立校ができ、当時は小学生137人、中学生79人が在学していた。
 昭和59年3月には閉校となったが、その校舎の一部や、体育館、プールが現存しおり、当時の姿に思いを馳せることができる。

百宅さと歩き

 2020年。ダム建設工事が本格的に開始され、今ある百宅の風景は、まさに今しか見れないものになった。
 そんな消えゆく百宅の風景を記憶に残そうとする取り組みが始まっている。

百宅マイスター

 百宅の歴史、文化を学び、伝承していく。百宅という素晴らしい場所があったことを伝え、多くの人の記憶に残して貰うこと。
 百宅マイスターは、そうした活動で生まれた観光ガイドの名称です。
 令和2年に誕生したマイスターは13名。そのうち7名が観光ガイドとして活躍しています。

 日々、刻々と移り変わる百宅の風景。
 マイスターとともに歴史や文化を学び、古くからここ百宅に生きた人々の物語に思いを馳せながら、この山間の魅力あふれる山村を歩きませんか。

マイスターと行く、百宅さと歩き

距離と所要時間

 通常コース:約4キロメートル、約2時間30分 

 ご要望により、時間を短縮することも可能です。

集合場所(スタート・ゴール)

案内人数

 ガイド1名につき、10名様までご案内できます。
 ※安全を確保するため、20名を超える団体様は別途ご相談ください。

ご利用料金

 ガイド1名につき、7,700円(税込)

 料金は事前振り込みになります。
 催行1週間前までに指定口座へお振込みください。

注意事項

  • ガイドルートは平たんですが、一部未舗装道路がありますので、トレッキングに適した装備をご用意ください。
  • 工事車両の往来がありますので、ガイドの指示に従い、交通ルールを守って歩きましょう。
  • ダム関連工事の都合によりルートが変更となる場合があります。
  • 残った家屋や施設内には、許可なく立ち入らないようにしてください。
  • 感染症対策として、マスクの着用、大声での会話の禁止、適度な距離を保っての行動をお願い致します。
    ※歩行中息苦しいときはマスクを外しても構いません。
  • 利用料金には保険料は含まれておりません。事前にご自身でレジャー傷害保険等へのご加入をお願い致します。(ガイド時にご確認させて頂く場合があります。)

お問合せ

 由利本荘市鳥海山案内人の会 事務局

 〒015-8501 秋田県由利本荘市尾崎17(市役所観光振興課内)

 電話 0184-24-6349

お申込み

秋田矢島鳥海観光案内所(由利高原鉄道矢島駅内)
電話:0184-56-2236

     

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